東京で雪が積もるのは、今冬2度目でしたっけ・・・
我が家のある武蔵野地区(厳密にはそう呼べないけど、聞こえがいいから使わせていただきます。玉川上水や井の頭公園の近所だから許してください)では、昨晩3時過ぎから霙(みぞれ)が降り出しました。
画像は、午前8時頃に撮ったものです。
ところで、雪景色が印象的な映画ってたくさんあるけれど、真っ先に思い出す2本があります。

そう、浅田次郎が直木賞をとったベストセラー
降旗康夫監督と高倉健と言えば、東映製作「新網走番外地」シリーズや東宝配給「駅 STATION
スタッフは、撮影・木村大作、照明・渡辺三雄、チーフ助監督・佐々部清の降旗組に加え、音楽は坂本龍一という豪華な顔ぶれ。
さらに共演者が大竹しのぶ、小林稔侍、そして映画出演2作目の広末涼子という
磐石な布陣。
と、どこをとってもヒットしないわけがないというガチガチ本命路線のあの映画です。
ネットでのレビューを見ていると若い人に辛口評価が多いようですが、わたしが5つ星をつけた映画の1本です。
ファースト・シーンは雪景色の中を疾走する蒸気機関車の力強い姿。
北海道のローカル線の終着「幌舞」駅の雪深いホームで、ウールのオーバーコートを着て制帽を被った高倉健扮する駅長・佐藤乙松が、直立不動で列車を待っている。
1両編成のディーゼル機関車が停止すると、
「ほろまーい、ほろまーい。」
と、誰も降りてこない乗客に向けて大声で律儀に出迎える。
映画はこんな風に始まります。
そしてラスト直前。
朝、ホームの一角に小山になった雪に黒いコートが広がり、その上に雪が降り積もる中、列車が入ってくる。
昭和残侠伝、網走番外地のストイックな健さんの流れを汲む、無骨で不器用な昭和の鉄道マン。
同期入社で元同僚で、親友で盟友の小林稔侍。
幼い娘を失い、自分も病気で早く亡くなる乙松の妻、大竹しのぶ。
そして、高校生の姿で乙松の下に訪ねてくる亡き娘の広末涼子。
雪に閉ざされた元炭鉱町、廃線を間近に迎える鉄道線、その最期を看取ることが自分の使命だと愚直に考えるぽっぽやの物語です。

「世界の中心で、愛をさけぶ
これもわたしの5つ星映画の1本。
山で遭難死した恋人を想う主人公博子(中井美穂)が、彼に宛てて届くあてのない手紙を出すと返事が返ってくる、という、ちょっとミステリアスなエピソードからストーリーは展開を始めます。
返信の主が、亡くなった恋人と同姓同名の藤井樹(中山美穂の2役)という女性で、しかも彼とクラスメートだったことがわかり、博子との文通が始まります。
中学時代の2人の藤井樹(柏原崇・酒井美紀)の間で起こる淡い恋のやり取りが回想の形で挿入されつつ、過去と現在の2つの物語が交錯します。
篠田昇のカメラによる、光を柔らかく捉える映像が、少女漫画のようなロマンチックな設定に独特な世界観を与え、神戸と小樽を舞台にストーリーは巧みに、そして緻密に展開していきます。
この映画の雪のシーンは、何といっても冒頭が圧倒的です。
クレーンを使った俯瞰からズームを引きながら雪原をダイナミックに捉えていくカメラワークは、岩井俊二の真骨頂です。
考えてみると、どちらの映画も雪がファンタジックなストーリーの重要な小道具として使われています。
しんしんと降る雪は、どこか郷愁を誘い、過去に想いを馳せさせる力を持っているんですね。
そういえば、「シムソンズ
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