2010-04-16

「お留守番」&「義侠純米原酒60%」

今日はアケちゃん(嫁)が飲み会なので、
オトさんはひとりです。

借りていたDVDの返却日だったので、
まだ見ていなかった2本をまとめて見ました。

1本目は『ぼくとママの黄色い自転車』
監督は河野圭太。
テレビディレクターとして「古畑任三郎ファイル」や
「世にも奇妙な物語」を手がけ、
最近は「佐賀のがばいばあちゃん」や「我が家の歴史」の
演出をしています。

映画は、『子ぎつねヘレン』『椿山課長の七日間』に続き3本目です。

テレビ出身らしく、どこまでもわかりやすい画面づくりとストーリー展開で
良くも悪くも「文部科学省選定」作品でした。








2本目は『私は猫ストーカー』
監督は矢口史靖と親交の深い鈴木卓爾。
この作品が長編映画デビューで、
第31回横浜映画祭で新人監督賞を受賞しました。

主演は『さよならみどりちゃん』(監督;古厩智之)で
ナント国際映画祭主演女優賞を受賞した星野真里。
ほかに江口のりこ、宮埼 将、徳井 優、坂井真紀、麻生美代子、品川 徹、
諏訪太朗という、演技派・個性派が揃った
オトさん好みの渋いキャスト陣です。








ベテランたむらまさきのカメラが
東京”谷根千(谷中、根津、千駄木)”の風景を
余分な要素を切り捨てた4:3のスタンダードで捉えています。

ハイライトの白飛び、逆光のゴーストなど、
デジタル撮影とは思えないフィルムのような質感、
ルポルタージュのようなアングルやフレーミング。

岩井俊二に通じるけれどやっぱり違う、
深作欽司の「仁義なき戦い」シリーズの匂いもかすかに感じる、
適当にその場で回しているように見えるけれど、
実はきっちり計算されている、そんな画づくりです。

さらに、まるで同録のような電車やバイクの背景音など、
スタッフの息づかいまで聞こえてきそうな空気感です。

そして、蓮見重臣の音楽が
街に住む猫たちのほのぼのした雰囲気をうまく盛り上げていて、
低予算を逆手に取った、技能賞的ないい映画でした。








主人公がなぜ猫をストーキングするのか、
じっくり考えると、きちんと監督のメッセージも伝わってきます。

『ぼ くとママの黄色い自転車』とは真逆のアプローチで、
映画っていろんな表現があるんだな、と再認識しました。




DVDをTSUTAYAに返却してから、
いつもの「鬼の台所 閻魔堂」に行ってきました。



「義侠 生酒 純米原酒60%」((山忠本家酒造株式会社 愛知県愛西市日置町)

「鬼の台所 閻魔堂」では何ヶ月かに1度、「義侠」を出しています。
オトさんも何度か飲んでいるのですが、レビューを書くのは2008年2月14日に続いて2度目です。

そのときは「腰の強い、確かに個性的というか、主張の強いダイナミックな」濃醇な酒という印象を持ったのですが、今回はそのイメージがくつがえされました。

前回は滓がらみ(できたての酒を絞ったあと不純物が沈殿する前に瓶詰めする)だったのに対し、
今回は生酒(できたての酒を絞り不純物を沈殿させ、濾過だけして火入れしないで出荷する)だという工程の違いはありますが、ずっと穏やかでやさしく飲みやすい酒でした。

上立香は穏やかで、口当たりもメロン系のさっぱりした爽やかなものでした。
酸味も滓がらみに比べるとずっと穏やかで、
口中に含んでいるとふわりと甘味が膨らんでいきます。

しばらくすると苦味がゆっくり立ち上がってきて、
飲み下す頃にはしっかりした後味を残してくれるので
やさしいだけの酒ではないと思い知らせてくれます。

飲みやすいくせに、したたかさを感じさせる切れ味が
気に入りました。

DATA:
「義侠 生酒 純米原酒60%」
杜氏; 杉村 洋
使用米; 兵庫県東条産特A地区山田錦米100%
精米歩 合; 60%
日本酒度; -
酸度; -
甘辛度; -
アルコール度; 16%以上17%未満



旨い日本酒を飲むといつも感じるのですが、
ブドウよりずっと糖度の低い米を使い、ワインよりずっと手の込んだ
工程を経て、これほど五味すべてを刺激してくれる良質なものが
手頃な価格で味わえるのは最高の贅沢です。


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